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ねずみ鋳鉄と合金鋼を同一材種で切削したい。
適正工具材種は?
旋削加工や正面フライス加工で、鋳鉄と鋼を同一の工具材種で切削すると、2つの材料で工具摩耗の発生の仕方が異なるため、工具寿命が不安定になりやすい。工具材種の選択には注意が必要である。
ねずみ鋳鉄FC300と合金鋼SCM440の旋削加工に適した工具材種を探している。どんな工具材種がよいか。
ねずみ鋳鉄FC300には鋳鉄用、合金鋼SCM440には鋼用の工具材種を選択するということではダメか?
1つで両方の材料が切削できる工具材種がほしい。
2つの材料の共削り加工に適した工具材種か?
共削り加工とは、具体的にどんな事例か?
1つの部品素材が、ねずみ鋳鉄FC300と合金鋼SCM440の2つからなっていて、切削加工の1つの回転運動の過程で2つの材料をともに切削する例である。
そういう意味の共削り加工ではない。別々に切削加工を行なっている。工具材種が多すぎるので、工具材種の統合を図りたい。
切削速度はどれくらいに設定しているか?
ねずみ鋳鉄FC300も合金鋼SCM440も、切削速度vc=120~160m/minで加工。長期的にみると、工作機械や部品の素材形状等の関係から、高速サイドはvc=250m/min程度まで、低速サイドはvc=60m/min程度までの切削条件になると予測される。
CVD法コーテッド超硬合金に、ねずみ鋳鉄の切削と炭素鋼、合金鋼などの切削に適した汎用性の高い工具材種がある。工具メーカーのカタログを調べて、鋳鉄切削用途のK種表示と鋼切削用途のP種表示の両方にランクされている工具材種を選択するとよい。
また、CVD法コーテッド超硬合金は、工具交換を早目に実施するようにして、鋳鉄切削用を鋼に適用し、鋼切削用を鋳鉄に適用する使い方がある。この場合には、それぞれ専用の工具材種に比べると結果が劣るが実用性はある。なお、鋳鉄切削用で鋼を切削する場合には、鋼切削用よりも切れ刃欠損が生じやすいので要注意。