Q27:機械のカウンタ情報(リミット・スィッチ信号)などを取り込むことは可能でしょうか?機械側の制限事項(入力機器?)などあるのでしょうか?
Q27-1:
MZPFを利用して生産現場からの情報取り込みに関して、例えば、機械のカウンタ情報(リミット・スィッチ信号)などを取り込むことは可能でしょうか?具体的な事例があれば教示願えませんか?機械側の制限事項(入力機器?)などあるのでしょうか?
A27-1:
MZPFアプリケーションを用いて、外部の機械から情報を読み込む方法は、現在のところ以下の3通りの方法が考えられます。
(1) USB接続によるキーボード入力としての読込
(2) シリアル通信(RS232C)による読込
(3) 接続対象となる機械専用に作成したコンポーネントによる読込
(1)は、市販のバーコードリーダや電子ノギスなどからの読込に用いる方法で、接続対象の機械がそのような出力方法をサポートしていれば、この方法で読み込むことが可能です。
(2)は、付属のシリアル通信コンポーネントを用いて情報を読み込む方法です。
(3)は、接続対象となる機械をPCへ接続するためのドライバがWindowsのDLLファイルの形で用意されていて、かつ、その仕様(API)が公開されている場合にのみ、行うことができる方法です。これまでに、PLC機器をこの方法で制御した事例がございます。DLLファイルを利用したコンポーネントの作成方法につきましては、付属のコンポーネント開発ガイド「5.3. ネイティブ処理を行うコンポーネントの開発」をご覧ください。
Q27-2:
現在はパソコンに載せて入力を行っております。一番手っ取り早い方法です。バーコードリーダーでの入力も検討しております。ですが結局はパソコンの近くでの入力作業となります。パソコンを使った環境は我々素人でも何とかシステムを構築できますが。本格的に工場に導入する場合、生産機器の近くに入力画面を据えて、作業者がパソコンに移動しなくても入力できる方法を構築していきたいのですが、そこで行き詰まっております。
パソコンに取っては当社の環境は劣悪であり、入力装置として銀行のATMなどに使われているようなパネルにての入力が出来ないものか検討しておりました。その結果、PLCなどは全く違う独自のOSにて動いているとのことで、アプリケーションを載せることがかなわず、結局はパソコンに頼らざるを得ない状況です。
当社の場合、何もないところから構築しているわけですので、何とかMZPFを使ったアプリケーションでの入力環境を現場に作りたいと願っているわけです。外部からの入力環境などではなく、直接MZPFで作成した入力画面を用いて、データが入力できることを切に願っております。MZPFが無用の長物にならぬよう検討していきたいのですが、外部機器からの情報の読み込み等に関しては、我々の能力を遙かに超えた、専門知識が必要です。苦しいところです。
PLCとMZPFを使った情報の読み込みの事例があるとのことですが、紹介願えませんか?
今の我々にとっては、付属のコンポーネント開発ガイド「5.3. ネイティブ処理を行うコンポーネントの開発」 を理解することが非常に難しい現状です。なんとか、MZPFで作成したアプリケーションのみで現場との連携を図っていきたいものです。
A27-2:
お問い合わせの件につきまして、現状を以下のように理解しましたが、この認識で正しいでしょうか?
「システムへの入力を生産機械のそばで行うようにしたいが、そこにパソコンを設置することは困難である。そこで、パソコンに代わる入力機器としてタッチパネル(PLC+コントローラ)が候補に挙がっている。だが、タッチパネルからシステムへデータを送る方法が分からない。」
上述の理解が正しいとした場合、パソコンを生産機械のそばに設置するのが困難な理由について確認させてください。思いつくのは以下の4つくらいですが、これらの中で該当するもの、また、他にもあればお知らせ下さい。
(1) 油や埃などが多く、パソコンが故障する可能性が高い。
(2) パソコンを設置するスペースがない。
(3) 電源を取れない。
(4) ネットワーク(社内LAN)に接続できない。
なお、MZPFとはまったく関係のない企業ですが、(1)の場合には、パソコンを透明ケースに入れ、キーボードには防塵カバーをつけて現場で使用している例があります。
Q27-3:
MZPF導入当初よりご説明申し上げておりましたが、いまだに入力方法が課題となって居ります。
ご承知の通り、現在のところは一部門にてMZPFによるデータ入力を行っております。
今後、MZPFを使った管理を順次拡大していく方向で居ります。
データ入力については、ノートパソコン2台にて使用しておりますが、作業員側からも、入力しやすい環境を設置して欲しいと要望も出ております。
バーコードリーダーでの読み取りに関しても、結局は近くにパソコンを置いてデータの確認を行わなければなりません。
取りあえずはパソコンを増設して行くしかありませんが、工場内の環境(粉塵、熱、湿気、スペース)を考えるとベストとは思えません。今現在、手作りですが防塵対策を施したパソコンを設置して様子を見ることにしておりますが、場所によってはパソコンを置くスペースがない、水回りに近い場所での作業も行っており、湿気が問題となる等々問題があります。
しっかりとした運用を確立するために、データ入力方法に関して検討する必要があります。タッチパネル(PLC+コントローラー)にそのままMZPFで作った画面を使って手元で入力したい、そんなことが出来ないのでしょうか?
また、PLC+コントローラーを使ったケースなどを紹介いただけないでしょうか?
PLCに挑戦しなければならないのか見極めたいと思います。
A27-3:
過去に作成したPLC制御アプリケーションの資料を、本文末尾の関連ファイルに掲載致しましたのでご覧下さい。
アプリケーションの概要はスライドの2枚目に記されています。ここでは、作成したPLC制御用のプログラムをMZ Platform上のアプリケーションから、PLC付属のWindows用ドライバ(DLLファイル)を介してPLCへ送信しています。このデータ送信には、そのためだけのコンポーネント(ネイティブ処理を行うコンポーネント)を新しく作成して利用しています。PLCは、送られてきたプログラムにしたがって、レーザセンサからの信号受信とステップモータの始動・停止を行います。
機器の動作は以下の通りです。
(1) ターンテーブル上にはマグネットが配置されて、レーザセンサは真下にマグネットがあるかどうかを検知する。また、ターンテーブルはどちらか一方のみが回転するようになっている。
(2) ターンテーブルが回転してセンサの真下にマグネットが来ると、そのターンテーブルは停止する。
(3) もう一方のターンテーブルが回転を始める。
(4) 以降、(2)と(3)の繰り返し。
このMZPFアプリケーションも合わせて添付しましたが、残念ながら、この事例は御社の参考にはならないというのが、私の率直な意見です。と言いますのは、この事例はデータをPCからPLCへ送信するもので、PC側からPLCを制御するものになります。一方、御社が考えておられるのはPCの入出力(ディスプレイ表示+入力)をタッチパネルで行うことであり、PLC側からPCを制御するもので、制御の方向が逆になります。
また、ここで作成したネイティブ処理を行うコンポーネントはPLC固有のDLLファイルに基づいて作成したものですので、御社が考えておられるタッチパネル用のPLCに転用することは不可能で、そのPLC用に新規にコンポーネントを作成しなくてはなりません。
なお、掲載したMZPFアプリケーションにはPLC用のDLLファイルおよびネイティブ処理用のC言語ファイルは含まれておりません。DLLファイルとその仕様はPLCメーカーのご厚意によりサンプル用として頂いたものですのでお渡しすることができません。この点、ご理解をお願いします。
おっしゃるように「MZPFで作成したアプリケーションのみで現場との連携を図っていきたい」ということであれば、PLCを介してタッチパネルとMZPFを連携させるというよりも、タッチパネルにWindows画面を表示させ、タッチパネルからWindowsのGUI操作を行うという方向で考えるのが適切ではないでしょうか。
ディスプレイ表示+GUI操作の代替を考える場合、USBあるいはRS232C接続のタッチパネルディスプレイを利用されるのが早道のように思います。すなわち、PC本体は安全な場所に隔離しておき、生産機械のそばにタッチパネルディスプレイを配置するという方法です。PC本体からケーブルを引く必要がありますが、それはPLCを利用しても同じことですので、この場合に限っての問題ではないと考えます。
USBやRS232C接続のタッチパネルディスプレイとしては、製品がいくつか市販されています。それらを一度試されてみてもよろしいのではないでしょうか。
関連ファイル:plcサンプル.zip(834KB)、PLC開発.ppt(1.69MB)