電解砥粒研磨は押付圧5~20kPa程度の砥粒研磨に電流密度0.1A/cm2オーダーの電解を複合する加工法である。このレベルの電流密度の電解では、加工面に厚い不働態皮膜が形成され、イオン化による溶出はほとんど起こらず電流効率はゼロ近い低い値になる(図1)。ここで、砥粒擦過により皮膜が除去されると、その部分では電解溶出が盛んになり電流効率は数10~100%レベルに急増大する(図2)。砥粒速度が1m/s以上の場合、砥粒が選択的に擦過して電解溶出量が急増大するミクロ凸部に対し、ミクロ凹部の加工量はゼロ近いため、表面粗さは急速に改善される。