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焼入れ


 焼入れとは図1に示すように亜共析鋼はA3変態点、過共析鋼はA1変態点以上30〜50℃高い温度に加熱し、均一なオーステナイト中へ炭化物を固溶させたのち急冷を行い、硬いマルテンサイト組織にする処理である1)。得られる硬さは鋼種によって異なり、また、冷却速度によっても異なる。焼入れで重要なポイントは加熱よりもむしろ冷却である。図2は加熱・冷却における作業図を示したものであり2)、550℃程度の臨界区域は速く、マルテンサイト変態が生ずる温度以下の危険区域はゆっくりと冷却する。この操作によって硬く、割れずひずみが少ない処理が可能となる。なお、焼入れの種類には次のようなものがある。
(1) 水焼入れ (2)油焼入れ (3)空気焼入れ (4)噴射焼入れ 
(5)熱浴焼入れ (6)プレス焼入れ (7)時間焼入れ (8)階段焼入れ
(9) 等温焼入れ

  1)オーステンパ
  2)マルテンパ
  3)スラッククエンチ
  4)鍛造焼入れ
  5)加工熱処理




参考文献
 1)、2)日本熱処理技術協会編;熱処理ガイドブック、大河出版(1983) P117


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