第5回調査報告書(平成16年度)
- はじめに
- この調査は、独立行政法人産業技術総合研究所中国センターの、ものづくり基盤技術支援室が、平成16年11月から12月にかけて、中国地域5県に本社又は事業所が存在する材料鋳造企業を対象に、業務概要、抱える問題点、支援機関への要望等を調査したものである。
- 平成16年11月上旬に、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)が発行しているタウンページ(職業別電話帳)の職業別分類の“金属加工(鋳造)”に電話番号が記されている企業等の434社に調査票を郵送し、このうちの89社から有効回答を得た。
- 回答していただいた企業の方々に深く感謝いたします。
- 調査結果概要
- 前記の実質回答企業89社について回答を集計した。以下に示す%表示の数値は、この89社を100%とした比率である。
- なお、以下に示す棒グラフの大部分においては、企業規模による傾向の違いも検討できるように、回答企業数を従業員数別に8段階に分類・色分けして表示した。
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調査結果
以下の文章で、%表示の数値は、回答企業89社を100%とした百分率である。
なお、図3以外の棒グラフにおいては、企業規模による傾向の違いも検討できるように、回答企業数を従業員数別に8段階に分類・色分けして表示した。
<1 回答企業の概要>
1.1 県別比率
89社の回答企業のうち、広島県が48%(43社)、岡山県が20%(18社)、山口県が18%(16社)、島根県が8%(7社)、鳥取県が4%(4社)であった。県別分布のグラフを図1と図2に示す。
図1 県別の回答企業数 |
図2 回答企業数の県別比率 |
1.2 従業員数別比率
回答企業の従業員数別の内訳を図3と図4に示す。従業員数が1桁から3桁の企業まで、比較的満遍なく回答をいただいたが、従業員数が50〜99人の企業の比率が特に高かった。従業員数が1桁(9人以下)の企業の数は17社であり、全体の19%であった。図3 従業員数別の回答企業数 | |
図4 回答企業の従業員数別比率 |
1.3 創業年代
集計結果を図5に示す。江戸が1%(1社)、明治が3%(3社)、大正が8%(7社)、昭和元〜20年が19%(17社)、昭和21〜40年が30%(27社)、昭和41〜63年が22%(20社)、平成が7%(6社)であり、昭和時代に創業した企業が多いが、昭和21〜40年に創業した企業が特に多い。
図5 創業年代の分布 |
1.4 ホームページの有無
集計結果を図6に示す。無記入の企業が相当数あるために正確な比率は不明であるが、回答をいただいた範囲では、“ある”と回答した企業が44%(39社)であり、“ない”と回答した企業の19%(17社)の約2.3倍であった。
図6 ホームページの有無 |
1.5 電子メールの有無
集計結果を図7に示す。無記入の企業が相当数あるために正確な比率は不明であるが、回答をいただいた範囲では、“ある”と回答した企業が58%(51社)であり、“ない”と回答した企業の16%(14社)の約3.6倍であった。
図7 電子メールの有無 |
<2 設問への回答>
2.1 回答企業の鋳造内容
問1 | 貴社が鋳造する部品はどの分野で使用されるものですか。 その他、の場合には具体的に記入してください(問2以下も同様)。 (複数回答可) |
1.輸送用機械 2.一般・精密機械 3.鉄鋼・金属 4.電気・電子 5.土木・建設 6.化学 7.食品 8.繊維 9.紙・パルプ 10.その他( ) 11.不明 |
図8 鋳造する部品の使用分野 |
集計結果を図8に示す。“一般・精密機械”が最も多くて、46%(41社)の企業がこの分野の部品を製造している。次いで“輸送用機械”が43%(38社)、“鉄鋼・金属”が28%(25社)、 “土木・建設”が25%(22社)、“その他”が22%(20社)等の順であった。
問2 | 貴社はどの鋳造法を行っていますか。該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
(砂型鋳造法) 1.手込め(生型鋳造法) 2.機械込め(生型鋳造法) 3.シェルモールド法 4.コールドボックス法 5.自硬性鋳型法 6.CO2法 7.その他( ) (金型鋳造法) 8.重力鋳造法 9.低圧鋳造法 10.ダイカスト鋳造法 11.層流充填加圧鋳造法・スクイズキャスティング法・溶湯鍛造法 12.チクソキャスト法・チクソモールディング法 13.その他( ) (その他の鋳造法) 14.ロストワックス法 15.セラミックモールド法 16.プラスターモールド法 17.遠心鋳造法 18.消失模型鋳造法(フルモールド法) 19.Vプロセス 20.連続鋳造法 21.その他( ) |
鋳造法 | |
図9 行っている鋳造法 |
集計結果を図9に示す。“自硬性鋳型法”が最も多くて、47%(42社)の企業がこの鋳造法を用いている。次いで“機械込め(生型鋳造法)”が36%(32社)、“手込め(生型鋳造法)”が31%(28社)、“CO2法”と“重力鋳造法”が各17%(15社)、“シェルモールド法”が15%(13社)、“消失模型鋳造法”が11%(10社)、等の順であった。
なお、7.の“その他”欄には、“鋳造品加工業”、“実験工房での各種鋳造テスト”が各1社から寄せられた。
問3 | 貴社はどの金属溶解設備を保有していますか。 該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.キュポラ 2.アーク式電気炉 3.誘導式電気炉 4.るつぼ炉 5.反射炉 6.回転炉 7.その他( ) |
金属溶解設備 | |
図10 保有している金属溶解設備 |
集計結果を図10に示す。“誘導式電気炉”が最も多くて、47%(42社)の企業がこの炉を保有している。次いで“るつぼ炉”が28%(25社)、“アーク式電気炉”が12%(11社)、“キュポラ”が11%(10社)、“反射炉”が7%(6社)等の順であった。
7.の“その他”欄には、“ホーメル炉”、“タワー式急速溶解炉”、“ガス式連続溶解炉” 、“ガス(溶解と保持)”が各1社から寄せられた。
問4 | 貴社はどの材料を鋳造していますか。 該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.ねずみ鋳鉄 2.C/V黒鉛鋳鉄 3.球状黒鉛鋳鉄 4.可鍛鋳鉄 5.鋳鋼 6.銅合金鋳物 7.アルミニウム合金鋳物 8.マグネシウム合金鋳物 9.亜鉛合金鋳物 10.その他( ) |
鋳造材料 | |
図11 鋳造している材料 |
集計結果を図11に示す。“球状黒鉛鋳鉄”と“ねずみ鋳鉄”が多くて、それぞれ39%(35社)と38%(34社)の企業がこれらの材料を鋳造している。次いで“アルミニウム合金鋳物”が31%(28社)、“鋳鋼”が17%(15社)、“銅合金鋳物”が16%(14社)、“C/V黒鉛鋳鉄”が9%(8社)等の順であった。
問5-1 | 貴社は複合化鋳造(鋳包み、鋳ぐるみ)を行っていますか。 該当番号に○印を付けて下さい。 |
1.行っている、又は、行ったことがある。 2.行っていない。 |
複合化鋳造の経験 | |
図12 複合化鋳造経験の有無 |
集計結果を図12に示す。“行っている、又は、行ったことがある”と回答した企業が40%(36社)、“行っていない”と回答した企業が43%(38社)であり、半数近くの企業が複合化鋳造(鋳包み、鋳ぐるみ)を経験している。
問5−2 | 問5-1で、1.と回答された方にお聞きします。 どの材種とどの材種の組合せでしょうか。 以下に記入して下さい。 |
(例:セラミックとAC8A) |
材種 | |
図13 複合化鋳造での材種の組合せ |
合計33社から回答をいただいた。比較的多く挙げられた組合せを図13に示す。ねずみ鋳鉄と他材種の組合せを挙げた企業が最も多くて17%(15社)であり、その中ではアルミニウム鋳物との組合わせが8%(7社)で最も多かった。それに次いで多い組合わせは、一部企業が重複するが、アルミニウム(合金)と他材種(ねずみ鋳鉄を含む)の組合せの15%(13社)、SS材と他材種(ねずみ鋳鉄を含む)の組合せの 11%(10社)であった。
問6−1 | 貴社が最も多く鋳造する材種は何ですか。 以下に記入して下さい。 |
(例:FC250、ADC12、AC8A) |
鋳造材種 | |
図14 最も多く鋳造する材種 (複数回答可) |
合計77社から回答をいただいた。比較的多く記された材種を図14に示す。ねずみ鋳鉄(FC***)が最も多く、28%(25社)の企業が回答した。〔そのうちではFC250が最も多くて19%(17社)であった。〕次いで球状黒鉛鋳鉄(FCD***)が多く、27%(24社)が回答した。〔そのうちではFCD450が最も多くて15%(13社)であった。〕さらに、アルミニウム合金鋳物(AC**)が17%(15社)、アルミニウム合金ダイカスト(ADC12)、銅及び銅合金鋳物(CAC***、BC*)が8%(7社)、等の順であった
問6−2 | その材料の用途は何ですか。 以下に記入して下さい。 わからない場合には“不明”を○で囲って下さい。 |
(例:自動車エンジン、バルブ、管) |
材料の用途 | |
図15 その材料の用途(3社以上が回答したもの) |
合計75社から回答をいただいたが、自由記入であるために当然ながら用語が不統一であった。あえて分類して、比較的多く挙げられたものをまとめたものが図15である。それによると、自動車が15%(13社)で最も多く、次いで、船舶が12%(11社)、工作機械が8%(7社)、機械部品が7%(6社)、ポンプ、バルブ、蓋が6%(5社)、等の順であった。
問6−3 | その材料の鋳造後の寸法はどのくらいですか。該当番号に○印を付けて下さい。 |
1)10mm未満 2)10mm以上〜100mm未満 3)100mm以上〜500mm未満 4)500mm以上〜1000mm未満 5)1000mm以上 |
寸法 | |
図16 その材料の鋳造後寸法 |
集計結果を図16に示す。比較的まんべんなく回答をいただいたが、中でも“10mm以上〜100mm未満”が最も多くて37%(33社)であり、次いで“100mm以上〜500mm未満”が33%(29社)、“1000mm以上”が22%(20社)、“500mm以上〜1000mm未満”が21%(19社)、“10 mm未満”が16%(14社)の順であった。
問6−4 | その工作物に要求される形状(寸法)精度はどのくらいですか。 該当番号に○印を付けて下さい。 |
1)1μm未満 2)1μm以上〜10μm未満 3)10μm以上〜100μm未満 4)100μm以上〜1mm未満 5)1mm以上 |
図17 その材料に要求される形状(寸法)精度 |
集計結果を図17に示す。無記入の企業が相当数あるために正確な順位は不明であるが、回答をいただいた範囲では、最も多い精度は“100μm以上〜1mm未満”の29%(26社)であり、次いで“1mm以上”が26%(23社)、“10μm以上〜100μm未満”が20%(18社)、“1μm以上〜10μm未満”が10%(9社)、“1μm未満”が1%(1社)の順であった。
工作物に要求される形状精度は、“金属切削加工”に関する調査1)では“10〜50μm”が最も多く、“金属塑性加工”に関する調査2)では“100μm〜1mm”が最も多く、“材料研削・研磨加工”に関する調査3)では“10μm〜50μm”及び“1μm〜10μm”が最も多く、“材料溶接加工”に関する調査4)では“1m〜10mm”が最も多かった。鋳造で平均的に要求される形状精度は、回答をいただいた範囲では、材料溶接加工よりは高く、金属塑性加工と同程度である。
問6−5 | その材料に要求される表面粗さ値(最大高さ:Rz又はRy又は)はどのくらいですか。 該当番号に○印を付けて下さい。 |
1)1μm未満 2)1μm以上〜10μm未満 3)10μm以上〜100μm未満 4)100μm以上〜1mm未満 5)1mm以上 |
表面粗さ値 | |
図18 その材料に要求される表面粗さ |
集計結果を図18に示す。無記入の企業が相当数あるために正確な順位は不明であるが、回答をいただいた範囲では、最も多い値は“100μm以上〜1mm未満”の30%(27社)であり、次いで“10μm以上〜100μm未満”が26%(23社)、“1μm以上〜10μm未満”が11%(10社)、“1mm以上”が7%(6社)、“1μm未満”が1%(1社)の順であった。
問7−1 |
貴社が困っている鋳造技術上の問題点は何ですか。 該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.ひけ巣・収縮 2.洗われ・湯もれ 3.すくわれ 4.湯回り不足 5.さし込み・焼着き 6.ブローホール・ピンホール 7.介在物(砂かみ・のろかみ・ハードスポット) 8.チル・逆チル 9.残留応力 10.き裂・割れ(鋳物の) 11.ヒートチェック(金型表面割れ) 12.型寿命短 13.鋳ばり取り困難 14.鋳造方案作成困難 15.自動化困難 16.鋳造能率低 17.鋳造費用高 18.安全対策 19.その他( ) |
問題点 | |
図19 困っている鋳造技術上の問題点(複数回答可) |
問8 |
問7で回答された問題点の解決策として、どのような方法をお考えですか。該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.自社解決(独自工夫、技術資料・書籍等を参照) 2.受注元に相談 3.親会社に相談 4.同業者に相談 5.県・市立工業(産業)技術センターに相談 6.国立研究所(独立行政法人)に相談 7.大学・高専に相談 8.その他( ) |
解決策 図20 問7で回答された問題点の解決策(複数回答可)
集計結果を図20に示す。“自社解決”が非常に多くて74%(66社)の企業が回答した。次いで、“同業者に相談”が13%(12社)、“親会社に相談”が12%(11社)、“受注元に相談”が11%(10社)、等の順であった。
“県立・市立工業(産業)技術センターに相談”は6社、“大学・高専に相談”は5社あったが、“国立研究所(独立行政法人)に相談”は1社しかなかった。県立・市立工業(産業)技術センターや大学・高専に比較して国立研究所(独立行政法人)は数が少ないことも、回答数が少なかった一因であろうが、国立研究所(独立行政法人)も技術相談に対応できることを広く宣伝することが大切である。
問9−1 |
未経験の仕事が来た場合に適切な鋳造法・鋳造条件等を調べられる、無料のインターネット・ホームページがあれば利用したいですか。該当番号に○印を付けて下さい。 |
1.したい 2.内容による 3.必要ない 4.インターネットを未使用なので不明 |
利用希望 | |
図21 未経験の仕事が来た場合に適切な鋳造法・鋳造条件等を 調べられる無料のインターネット・ホームページの利用希望 |
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図22 未経験の仕事が来た場合に適切な鋳造法・鋳造条件等を 調べられる無料のインターネット・ホームページの利用希望 |
集計結果を図21と図22に示す。30%(27社)の企業が“したい”、37%(33社)の企業が“内容による”、13%(12社)の企業が“必要ない”、7%(6社)の企業が“インターネットを未使用なので不明”と回答した。“したい”と“内容による”を合わせると67%であり、約2/3の企業がこのようなホームページの利用を希望している。
問9−2 | 問9-1で、1.又は2.と回答された方にお聞きします。 どの材料のどの鋳造法について、このようなホームページを作成して欲しいでしょうか。以下に記入して下さい。 |
(例:マグネシウム合金のダイカスト鋳造法) |
図23 ホームページ作成希望の材料(自由記入) | |
図24 ホームページ作成希望の鋳造法(技術)(自由記入) |
多様な要望が38社から寄せられた。
比較的多く記された材料を図23に示す。“球状黒鉛鋳鉄”が最も多くて10%(9社)であり、次いで“アルミニウム”が7%(6社)、“ねずみ鋳鉄”が6%(5社)、“鋳鋼”が3%(3社)、等の順であった。
比較的多く記された鋳造法(技術)を図24に示す。“自硬性鋳型(鋳造)”が最も多くて7%(6社)であり、次いで“鋳造方案”、“生型造型(鋳造)”、“砂型鋳物(鋳造)”が5%(4社)、“ひけ巣”が3%(3社)、等の順であった。
材料と鋳造法(技術)の組み合わせで最も多かったのは、“球状黒鉛鋳鉄の自硬性鋳型(鋳造)”、“球状黒鉛鋳鉄の生型造型(鋳造)”であり、各々3%(3社)であった。
問10 | 貴社として、問8に示したような外部公的機関に支援して欲しい事柄は何でしょうか。 該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.技術講演会・講習会・展示会の開催 |
支援内容 | |
図26 問8に示したような外部機関に支援して欲しい事柄(複数回答可) |
集計結果を図26に示す。回答をいただいた範囲では、“技術講演会・講習会・展示会の開催”が最も多くて、26%(23社)の企業が回答した。次いで、“貴社からの電話・FAX・電子メール等による技術相談への対応”が21%(19社)、“試作・試験・分析への対応”が18%(16社)、“外部公的機関からの郵送・FAX・電子メール等による技術情報提供”と“技術アドバイザーの訪問による指導・相談”が15%(13社)、“そもそも、どこに何を問い合わせたらよいかを教えて欲しい”が12%(11社)、等の順であった。
“技術講演会・講習会・展示会”は、従来よりさまざまなものが開催されているが、企業に役立ち、参加しやすい技術講演会・講習会・展示会の企画とその宣伝が、これまで以上に必要である。
“技術相談への対応”、“技術情報提供”としては、公的機関の相談窓口の宣伝、公的機関からの積極的な情報発信の大切さは言うまでもないが、産業技術総合研究所が運営する無料技術情報ホームページである「テクノナレッジ・ネットワーク:“http://www.techno-qanda.net/dsweb/”」の宣伝と内容充実も必要であろう。
“試作・試験・分析への対応”を希望する企業もかなりあり、各公的機関における各種試験・分析対応体制の宣伝が大切であろう。
“技術アドバイザーの訪問による指導・相談”も課題である。公的機関の職員が加工現場を訪問することは、企業にとっても公的機関にとっても有意義であろう。
“そもそも、どこに何を問い合わせたらよいかを教えて欲しい”という回答もかなりあり、公的機関からの企業に対する積極的な宣伝が必要であろう。
なお、3.の“外部公的機関からの郵送・FAX・電子メール等による技術情報提供”を希望された企業のうち1社から、特に入手したい情報として“現場技術の情報”との回答が寄せられた。さらに、10.の“その他”欄には、1社から“どの程度、内容の専門家がおられるかの紹介が欲しい”との回答が寄せられた。
問11 | 貴社で、鋳造以外に行っている加工法があれば、該当番号に○印を付けて下さい。(複数回答可) |
1.鍛造、2.金属プレス、3.射出成形、4.切削、5.研削、6.研磨、7.放電加工、8.レーザ切断、9.レーザ溶接、10.アーク溶接、11.めっき、12.PVD・CVD、13.溶射、14.熱処理、15.その他( ) |
加工法 | |
図27 鋳造以外に行っている加工法(複数回答可) |
集計結果を図27に示す。“切削”が最も多くて、39%(35社)の企業が回答した。次いで、“熱処理”が20%(18社)、 “研削”が18%(16社)、“アーク溶接”が16%(14社)、等の順であった。
<3 まとめ>
中国地域5県の材料鋳造企業を対象に、鋳造概要、鋳造技術上の問題点、外部からの技術支援策等に関するアンケート調査を行い、89社から回答を得た。主な回答内容は以下の通りである。
- 1.鋳造概要
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・行われている鋳造法は多い順に、自硬性鋳型法、機械込め(生型鋳造法)、手込め(生型鋳造法)、重力鋳造法、CO2法、シェルモールド法、消失模型鋳造法、等であった。
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・鋳造している材種は多い順に、球状黒鉛鋳鉄、ねずみ鋳鉄、アルミニウム合金鋳物、鋳鋼、銅合金鋳物、等であった。
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・複合化鋳造(鋳包み、鋳ぐるみ)の経験を持つ企業は半数弱であり、ねずみ鋳鉄とアルミニウム合金の組み合わせが比較的多かった。
- 2.鋳造技術上の問題点
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・鋳造技術上の問題点は多い順に、ひけ巣・収縮、ブローホール・ピンホール、介在物、鋳造費用高、自動化困難、鋳造能率低、湯回り不足、さし込み・焼着き、等であった。
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・鋳造技術上の問題点の解決策は、自社解決が非常に多かった。次いで、同業者に相談、親会社に相談、受注元に相談、等の順であった。
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・未経験の仕事が来た場合に適切な加工法・加工条件等を調べることができる無料ホームページの利用希望企業の比率は、"したい"と"内容による"を合わせて67%であった。このホームページへのデータ掲載を希望する材料は多い順に、球状黒鉛鋳鉄、アルミニウム鋳物、ねずみ鋳鉄、鋳鋼、等であり、同じく鋳造技術は、自硬性鋳型(鋳造)、鋳造法案、生型造型(鋳造)、砂型鋳物(鋳造)、ひけ巣、等であった。
- 3.外部からの技術支援策等
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・外部機関に支援して欲しい施策は多い順に、技術講演会・講習会・展示会の開催、技術相談への対応、試作・試験・分析への対応、技術情報提供、アドバイザー訪問による指導・相談、等であった。なお、"そもそも、どこに何を問い合わせたらよいかを教えて欲しい"と回答した企業が12%あった。
参考文献
1) 経済産業省 産業技術総合研究所 中国工業技術研究所:「中国地域ものづくり技術調査」報告書(金属切削企業300社の声)、2001年2月刊。
2) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第2回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(金属塑性加工企業144社の声)、2002年2月刊。
3) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第3回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(材料研削・研磨加工企業224社の声)、2003年2月刊。
4) 独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携部門 中国産学官連携センター ものづくり基盤技術支援室:第4回「中国地域ものづくり技術調査」報告書(材料溶接加工企業265社の声)、2004年3月刊。