4.実験結果と考察
(1)工具損傷状態
TiNセラミックスも超硬K10もクレータ摩耗と逃げ面摩耗の両方が進行して寿命に至っている。
被削材中のSiによりアブレッシグな摩耗が進むだけではなく、Alのねばさにより溶着と脱落の繰り返しによっても摩耗が進んでいる。
割れおよび欠けという損傷は現れていない。
(2)工具摩耗進行曲線
図3〜図6に逃げ面摩耗進行曲線を示す。
図3は超硬K10の場合で切削速度100m/minの時だけゆるやかな進行を示し,切削速度150と200m/minのときは2分以内に寿命に達している。
図4はTiNセラミックスの場合でどの切削速度でも2分以内に寿命に達している。
(3)切削仕上げ面
図7にAl-24%Si合金の切削仕上げ面粗さを示す。
Al-24%Si合金自体が鋳物巣が多く切削後は仕上げ面に巣が多数観察された。
超硬K10で削った場合、切削速度の変化に対しては仕上げ面粗さの変化はほとんどない。
TiNセラミックスで削った場合、切削速度の上昇とともに仕上げ面粗さも小さくなっているように見えるが、しかし寿命に至る時間が短く、
データ数も少ないので上記の事項も明確ではない。
(4)切り粉
切り粉は砂粒状であり、これは超硬の場合もTiNセラミックスの場合も変わらない。 |