4.実験結果と考察
(1)工具損傷状態
図2はアルジル切削時の工具損傷状態を示す。セラミックス(TiCN-30TiB2系)は切削速度100m/minから200m/minにおいて、刃先ノーズを中心に急激なすべりによる初期摩耗を起こし寿命に至っている。
その度合は切削速度が上るにつれ加速度的に大きく現われる。超硬K種(WC-Co系)では、100m/minで刃先を中心にした均一摩耗、150,200
m/min で境界部を最大とする三角摩耗である。
(2)工具摩耗進行曲線
図3にAl-24%Si合金(アルジル)切削時の横逃げ面及び前逃げ面の工具摩耗の進行状態を示す。
セラミックス(TiCN-30TiB2系)は、100m/minでは2分でVB=0.2oに達するが、150,200 m/minでは1分でVB=0.4〜1.5oとなり寿命に至る。硬K種(WC-Co系)は、100m/minで切削時間10分でVB=0.2o, 150m/minでは2.5分でVB=0.2o,200 m/minでは1分でVB=0.4oになる。
摩耗の進行においては、セラミックスの場合実用上の使用は無理であると思われる。
超硬の場合100m/min以下において実用的な使用が考えられる。
(3)切削仕上げ面
図4にAl-24%Si合金(アルジル)の切削仕上げ面を示す。セラミックスでは1分切削後Rmax=10μm前後であり、超硬K10(WC-Co系)では初期にRmax=25μm前後からVB=20.2oに達するとRmax=10μmになる。
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