ま と め
繊維強化プラスチックスGFRP

1.実験の目的

焼結ダイヤモンド(C系)と超硬合金(WC-Co系)の、複合材料繊維強化プラスチックGFRPに対する切削性能の検討。

2.被削材

 複合材料は、複数の異種材料を組み合わせて一体化し、それぞれの材料の持つ特徴を最大限に生かすようにした新材料で、コンポージット材料ともいう。複合材料は、モーターボート、ヨットの船体、スキー、家具、バスタブ、などから航空機、自助車などに使用されている。GFRPまでを第一世代とすれば、現在は各種の先端複合材料が発展期を迎えている第二世代と呼ぶことができる。背景として成型加工技術がかくだんの進歩をみせたことや、オイルショックを契機に軽量化の要請一段と強まったことが挙げられるが、最大の要因はガラス繊雌に比べ遙かに優れた特性を持つ新強化繊維があいついで開発されたことである。表1に使用したGFRPの化学成分を示す。

3.工具材

1に使用した焼結ダイヤモンド(C系)と超硬合金(WC-Co系)の成分と機械的性質を示す。

4.実験結果と考察

(1)工具損傷状態

1から焼結ダイヤモンド(C系)では20分の切削で前、横逃げ面、クレーターについてはほとんど変わりがないのがわかる。
  それに対し超硬合金(WC-CO系)は前、横逃げ面、クレーターすべてが同じような摩耗進行をしていくと思われV
B=0.2に到達した時、刃先は大きくダレた状態になっている。  

(2)工具摩耗進行曲線

2に焼結ダイヤモンド(C系)と超硬合金(WC-Co系)の前、横逃げ面の工具摩耗の進行状態及び工具摩耗曲線を示す。焼結ダイヤモンド(C系)と超硬合金(WC-Co系)では、その性能の差ははっきりしているが同一工具における各切削速度間での違いは殆どない。又工具寿命曲腺の図から超硬合金(WC-Co系)では傾きが立っていることから切削速度による大きな差はないことが分かる。

(3)切削仕上げ面

3に複合材料繊維強化プラスチックGFRPの表面粗さの変化をしめす。焼結ダイヤモンド(C系)、超硬合金(WC-Co系)両者とも総ての切削速度で10μmから20μm前後を変動している。切削油の影響については分からない。

5.結論

(1)焼結ダイヤモンド(C系)による複合材料繊維強化プラスチックGFRPの切削では20分切削でもVBは約0.035位で大変安定している。

(2)超硬合金(WC-Co系)は100m/min、150m/min、200m/minとも工具摩耗の進行は大差なくVB=0.2には13分位で到達した。