4.実験結果と考察
(1)工具損傷状態
図1に、切削した時の、焼結ダイヤモンド工具の損傷状態を示す。焼結ダイヤモンド工具は、アルミナを切削した時には、微小チッピングと逃げ面のアブレッシブ摩耗とからなっている。なお、クレータ摩耗は生じない(図1)。
(2)工具摩耗
図2にアルミナを焼結ダイヤモンドで切削した時の、工具の逃げ面摩耗の経過を示す。湿式、切削速度25m/minで20〜30minの切削が可能である。
(3)切削仕上げ面
図3にアルミナの切削仕上げ面の写真、及び図4に仕上げ面の断面曲線を示す。仕上面は梨地面が主体であるが、わずかにツールマークが認められる。
(4)切りくず
採取せず。切削油剤のタンクに、沈澱漕とペーパーフィルターを特別に設置して、
切りくず(微粉末状)の再循環を防いだ。
(5)切削抵抗
図6に、切削時の切削抵抗を示す。セラミックス切削時の切削抵抗の特徴は、主分力よりも背分力の方がはるかに大きいことである。このことは、図5に示す実質切込み量からも理解される。したがってセラミックスの加工に使用する工作機械には、特に高剛性が要求される。
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