用語集

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■ガーネット  
■回転形バレル
  
■化学研磨  
■化学焼け  
■金型研磨  
■乾式ラッピング  
■基材  
■キャリヤ  
■球面ラッピング
■鏡面研磨  
■くもり  
■研磨圧力 
■研磨温度   
■研磨材  
■研磨剤  
■研磨性能
■研磨テープ
  
■研磨ディスク  
■研磨熱
■研磨能率  
■研磨パッド  
■研磨比  
■研磨フィルム
■研磨布紙  
■研磨布紙加工
■研磨ベルト
■研磨変態  
■研磨焼け
■研磨力  
■研磨ロボット  
■光学原器 
■光学研磨 
■鋼球ラップ盤  
■交差角
■固定砥粒  
■固定砥粒加工 
■ゴム砥石
■コロイダルシリカ  
■コロイド  
■コンセントレーション  
■コンタクトホイール  
■コンパウンド  

か

■ガーネット  

2価と3価の金属を含む珪酸塩化合物であり、和名はざくろ石という。Mg−Al系やFe−Al系のものが硬度が高く、研削・研磨用に適している。

■回転形バレル

バレル容器内に工作物、メディア、コンパウンド、水等を容器の約1/2容量入れて回転させ、内容物の流れによって加工を行う研磨装置。回転軸が水平な水平形と傾いている傾斜形がある。通常、毎分6〜30回転が用いられる。

■化学研磨  

化学研磨は、研磨剤に工作物を溶去する化学薬品を用い、工作物と工具面を擦り合わせる操作で研磨を行う。化学作用と工具面との摩擦作用などにより、光沢面に仕上げることも可能である。なお、単なる溶液中浸漬のエッチングや酸洗いとは区別する。

■化学焼け  

強酸や強アルカリを使用した研磨加工において、工作物表面に生じる黒ずんだ焼け。焼けの部分は正常な部分より数倍悪い仕上げ面粗さになることが多い。

■金型研磨

エンドミルや放電加工による型彫り加工後の表面仕上げ研磨。切削の送りマークや放電痕を除去する工程と表面粗さを改善して平滑にする工程からなる。

■乾式ラッピング

加工液(ラップ液)がない乾燥状態で行うラッピングを指す。湿式のラッピングに比べて切り屑や破砕砥粒の排出・交換が円滑に進まないので焼けなど材料変質が生じやすい。

き

■基材  

研磨布紙やポリシングパッドの構成要素のひとつである。基材面に砥粒を接着・固定したものが研磨布紙、パッドシートを貼り付けたものがポリシングパッドである。基材には、厚さが均一、引っ張り強度が大、伸びが小などが要求される。材質は布、紙のほか、25〜75μm程度のポリエステルフィルムやポリエステル繊維の不織布などが使用される。

■キャリア  

研磨機の工作物保持用ケージあるいはホルダを指す。両面ラップ盤の場合、工作物厚さよりも薄く、外周部にギアを有し、ラップ盤の太陽歯車と内歯歯車とに噛み合うように構成され、工作物保持のための穴がある。材質は金属板と合成樹脂板がある。

■球面ラッピング

ベアリング球のような完全球面ラッピングとレンズのような部分球面ラッピングがある。ベアリング球などの量産ラッピングでは、2枚の円環状ラップ(表面が平滑な場合とV溝などが形成されている場合とがある)の間に球を挟んだ状態で研磨しており、直径が大きく、少量生産の球面ラッピングでは、2〜4個のリング型工具で挟みつけるようにして回転させ研磨する場合がある。また、部分球面ラッピングには、所定の曲率を持つ凹凸一組の研磨皿の片方に工作物を貼り付け、他方を工具にして研磨を行う量産ラッピングがあり、1個の工作物を回転させながらラップ工具を押し当てる個別のラッピング方式がある。

■鏡面研磨  

光学ポリシングやバフ研磨などが該当し、感覚的には、反射や透過が可能なレベルに仕上がる。光沢を妨げる酸化膜がなく、表面粗さはおおよそ50nmRz以下の研磨。

く

■くもり  

外観検査による光沢を失った状態をいう。例えば、シリコンウエハの最終仕上げ工程のあと、暗室にて集光ランプを用いた目視による「ヘイズ」検査が行われる。この場合、極微細な凹凸や付着部などによる光の散乱が原因している。

け

■研磨圧力 

研磨加工における工具と工作物間に働く力のうち、垂直方向の圧力成分。

■研磨温度   

研磨時に発生する熱により上昇した工作物、工具、研磨剤等の温度。工作物の温度は熱放散が劣る中央部で最も高く、その部分の変形や加工量増加などが形状精度低下の原因となる。このため、乾式研磨では特に注意が必要である。

■研磨材

研磨資材ともいう。ラッピングやポリシングに用いる砥粒、発泡ウレタンシートやナイロンクロスなど。

■研磨剤
ラッピングやポリシングに用いる遊離砥粒を水や油などの中に分散させた溶液状のものの総称。ダイヤモンドなどの高価な砥粒の研磨剤にはペースト状にしたものもある。

■研磨性能

研磨における表面粗さ、加工変質層深さ、工具寿命、加工能率などで評価した結果の総称。

■研磨テープ  

厚さ25〜75μm程度のポリエステルフィルムの上に、サブミクロンから数10μmの粒径の砥粒が接着剤で均一に塗布されたテープ状の研磨工具。

■研磨ディスク  

円板状の研磨工具。

■研磨熱

研磨における工具と工作物の作用で発生した熱を指す。ミクロな領域の加工部はかなりの高温になると言われている。研磨熱によって工作物表面の塑性流動的挙動が促進され、また、化学作用も活発になり、表面の平滑化が進む。
超仕上げ、バフ仕上げ、シリコンウエハのメカノケミカルポリシング、さらにはダイヤモンド原石の研磨になると、研磨熱を発生しないと加工量が得られず、鏡面が得にくい。

■研磨能率
単位時間あたりの研磨量とするならば、除去された厚さ(深さ)μm/minなどで表す。体積や重量により表記することもある。研磨圧力や研磨速度のほか、砥粒の種類や濃度、研磨液の種類などが影響するので、研磨圧力、研磨速度を取り入れたμm/km・Pa(比研磨量・圧力比)で表すこともできる。これは研磨量が研磨速度、研磨圧力、研磨時間に比例するとしたときの比例定数である。
研磨パッド
研磨布、ポリシングパッド、ポリシャのこと。研磨材保持の性能と摩擦抵抗や工作物に応じた硬さを必要とする。製法からの分類では、スエードタイプ、不織布、発泡タイプが主流である。材質としては、硬・軟ポリウレタンが多く利用されている。
研磨比
一定研磨時間における工作物の加工体積を研磨工具の損耗体積で割った値。
研磨フィルム
プラスチックフィルムに砥粒を接着剤で固定したもので、シート状、ロール状のものがある。研磨テープ。
研磨布紙
布、紙など柔軟性に富む材料(通常、基材と呼ぶ)の表面に研磨材を接着剤で固定した研磨工具の総称。基材の違いで、研磨布と研磨紙とに区別する。工具形状はシート、ロール、ディスク、ベルトが一般的である。
研磨布紙加工
研磨布紙を各種の形状や機能をもつ工具として研磨を行うことの総称。
研磨ベルト
帯状の研磨布紙の両端を継ぎ合わせ(接合)、ベルト状にした研磨工具。
両端をオーバーラップさせて接着するラップジョイントや裏面からパットを当てるパットジョイントがある。接合部は他の部分より厚くなるので、仕上げ面にジョイントマークが現れるなどの不具合を避けるため、接合部の砥粒を除去する場合もある。
通常、研磨ベルトと称する場合は、継ぎ目があるものを指し、袋織の基材を使用した継ぎ目のないエンドレス研磨ベルトとは区別する。 基材としては、布、紙の他、これらを耐水処理したものがある。
研磨変態
研磨加工における砥粒や工具の機械的作用で局所的に発生した高圧や高温のために、工作物表層に材料変態を生じ、母地とは異なる結晶構造などを示す現象。
研磨焼け
研磨加工の際の発熱などによって、工作物表面が異常酸化や吸着で変色した場合を指す。工作物が金属材料の場合は加工の進行が止まるほど変色・変質することがある。また、ガラスのラッピングでは、研磨剤の供給や切り屑の排出が円滑に行われていない条件下で発生する。ポリシングでは、化学的浸食を受けた変質・吸着であり、研磨の終了時に研磨剤が乾くと研磨剤の焼き付きが生じる。白焼けはくもり状で反応生成物が付着した場合、青焼けは表層の屈折率や反射率が変化して干渉色を呈した場合である。
研磨力
研磨加工において、工具と工作物との間に働く力であり、研磨圧力に対する接線力。研磨機械の所要動力を決定する物理量となる。
研磨ロボット
研磨作業の省力化、自動化を目的に利用される作業用ロボット。
こ
■光学原器 
平面ゲージ(オプチカルフラット)や球面ゲージを指す。「原器」という用語は使わないほうがよい。
光学研磨
光の表面の散乱や局部屈折のバラツキが少なく、光学的に機能できる面に仕上げる研磨であり、古くはピッチポリシング、現在は硬質ポリウレタンパッドによる研磨がその代表である。
■鋼球ラップ盤 
両面ラップ盤の下ラップにV溝が同心円に形成されていて、この溝中を多数個の鋼球が自転しながら移動でき、上ラップで加圧して研磨が行われる。平面研磨用の立形2面ラップ盤と類似の研磨機である。
交差角
ホーニングを行った表面に生じる砥粒軌跡の交差する角度。
固定砥粒
遊離砥粒に対する言葉であり、結合剤で固定された砥粒のこと。
固定砥粒加工
多数の砥粒を適当な結合剤(ボンド)で固定した砥石状工具を用いる加工法の総称。運動制御方式の研削加工と区別して、圧力制御方式の砥粒加工法を意味することが多い。古くからの加工法としては超仕上げ、ホーニング、砥石による刃物研磨、スティック砥石研磨などがある。
ゴム砥石
砥粒をエボナイト構造の硬質ゴムで結合した弾性砥石で、簡便な鏡面仕上げ用の工具に使用する。研磨熱による過度の軟化を避けるため湿式で行う必要がある。
天然ゴムのほかに、人造ゴムも使用される。
コロイダルシリカ
SiO2またはその水和物のコロイドで、通常、粒子径が10〜300nmで一定の構造を持たないもの。ケイ酸塩に希塩酸を作用させてから透析して得られ、常温ではなかなか沈殿しないゾル状である。Siウエハなどの仕上げポリシング用研磨剤として多用されている。
コロイド
ある物質が特定の範囲の大きさの粒子となり、それが他の物質の中に分散している状態をいう。分散媒体が液体であるものをコロイド溶液(ゾルと同義語)という。
コンセントレーション
研磨剤中の砥粒の割合。コンセントレーションの高い研磨剤のほうが、仕上げ面が良くなる傾向がある。
コンタクトホイール
ベルト研磨において、研磨ベルトの裏面に接して回転運動し、これにより研磨ベルトと工作物との間に押付け圧を発生させる。一般に、ゴムか金属製で、その表面はそのままか、ゴム、布、皮などを貼って使用する。
■コンパウンド 
バレル研磨で使用する防錆、緩衝、潤滑作用を促進するための補助剤。

 独立行政法人 産業技術総合研究所