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基本級(SA-2F)取得までの実習例

〜マグ溶接(半自動溶接)〜


マグ溶接(半自動溶接)の実習準備

マグ溶接(半自動溶接)/炭素鋼、中板、下向き、裏板あり

溶接機 : 半自動溶接機/定格出力 300A
溶材 : YGW-11 ソリッドワイヤ 径 1.2mm
シールドガス : CO2(炭酸ガス)
母材 : 炭素鋼 SS400など 板厚9mm

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実習順序

1) ビードオンプレート溶接: ビードオンプレート溶接で溶融池の観察と運棒を修得
2) すみ肉溶接: 下向すみ肉溶接で疑似開先内の溶融池の形成を学ぶ
3) 基本級 SA-2Fの溶接: 受験種目である突合せ溶接の基本を実習する
(炭素鋼、中板下向き、裏板あり)

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1)ビードオンプレート溶接

準備するもの

母材: 材質は炭素鋼  板厚 9x 幅 125x長さ 200 (mm)の平板
ソリッドワイヤ: YGW-11 ソリッドワイヤ  径 1.2 mm
シールドガス: CO2(炭酸ガス)、15〜20 L/min

実習手順

運棒の基本を平板上で下向き姿勢で練習
練習 溶接電流(A) アーク電圧(V) 運棒(トーチ) 運棒(トーチ)上の注意点
ストリンガービード
後退法と(前進法)
160 22 クリックで拡大表示
  • 溶融池の観察が明瞭にでき、容易に作業できる位置取り

  • アーク長2mm程度になる電圧の設定

  • 溶融池を同じ形状に保つ運棒操作

ウィービングビード
後退法と(前進法)
150〜170 22 クリックで拡大表示

評価確認ポイント

 ビード形状が均一か  
 波形が整っているか  
 欠陥がないか  

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2)すみ肉溶接

準備するもの

母材 : 材質は炭素鋼_約板厚 9 mmの平板 2枚
ソリッドワイヤ : YGW-11 ソリッドワイヤ  径 1.2 mm
シールドガス : CO2(炭酸ガス) 15〜20 L/min

実習手順

T継手を用いて、斜めに立て、V開先を作る。そこに下向き姿勢で積層の練習を行う。
パス数 溶接電流(A) 運棒(トーチ) 運棒(トーチ)上の注意
1パス 180 クリックで拡大表示
  • ルート部を充分に溶かす

  • スラグの巻き込みに注意する

  • ビード表面を平滑にする

2パス 180
3〜4パス 150

評価確認ポイント

 ビード形状が均一か  
 波形が整っているか  
 欠陥がないか  
 積層は適正か  

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3)基本級SA-2F溶接

準備するもの

母材: 材質は炭素鋼、板厚 9x幅 125x長さ 200 (mm)の平板 2枚
裏板: 材質は炭素鋼、板厚 6x幅 25x長さ 210 (mm)の平板 1枚
開先:

開先部の寸法とタック溶接 (仮付け)

  • 溶接面のスケールはヤスリ等で取り除く
  • タック溶接では母材と裏板を密着させること
クリックで拡大表示 クリックで拡大表示
溶接ワイヤ: YGW-11 ソリッドワイヤ 径1.2 (mm)
シールドガス: CO2(炭酸ガス)15〜20L/min

実習手順

層数 溶接電流(A) アーク電圧(V) 運棒(トーチ)上の注意 積層図
190 24 初層の溶込みが特に重要である (ルート間隔、溶接電流、アーク長)。
後退法を推奨する。ただし後退法では凸ビードになる。
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170 24 2層目は前進法(10〜20°)で行い、開先内での溶融池の幅、高さ適切になるよう運棒する。2層目終了時のビード高さは板表面より2〜3mm低い高さにする。
*) 160 21 仕上げ層は前進法で行い、溶融池の幅、高さを調整しながら運棒し、欠陥のない良好ビード外観を得るようにする。
注1) アーク長は電圧で調整する。
注2) 角変形を抑えるため、拘束冶具の使用を推奨する。
*)特に運棒(トーチ)の難しい最終層の仕上げについての動画を以下に示す。
  良好なビード外観を形成させるため、溶融池の形状に注目し、アーク長とウィービング゙幅とそのワイヤ先端を動かす速度などを会得すること。

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視聴覚ライブラリーNo.2「炭酸ガスアーク半自動溶接」
((社)日本溶接協会中部地区支部委員会編,産報出版(株)) より44秒抜粋

評価確認ポイント

 1-2層目の面は平らか?、高さは一定か?、波形は均一か?  
 3層目では余盛と幅、波形は適切で、かつアンダーカット等の欠陥はないか?  

試験結果

検定では以下の試験を行う。

外観検査

表曲げ、裏曲げ試験

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