変数コンポーネント

    1. 変数コンポーネントとは

    2. 変数コンポーネントは、ある特定のクラスのオブジェクトを設定して、そのメソッドを実行することができます。
      変数はプログラム内で使用するデータを保持するための入れ物のようなものです。
      内部の処理を行う処理部品である変数コンポーネントにオブジェクトを設定し、必要なときに利用します。
      変数内のデータはアプリケーション終了後は保持されません。
    3. MZで利用できる変数コンポーネント

      1. 文字列
        文字列格納変数
      2. 数値
        任意精度実数(BigDecimal)格納変数
        任意精度整数(BigInteger)格納変数

        実数(Double)格納変数
        実数(Float)格納変数
        整数(Long)格納変数
        整数(Integer)格納変数
        整数(Short)格納変数
      3. その他よく使う変数
        リスト格納変数
        テーブル格納変数
        ツリー格納変数
        論理値(Boolean)格納変数
        日付格納変数
        寸法格納変数
        色格納変数
        フォント格納変数
        位置格納変数


        オブジェクト格納変数
        コンポーネント格納変数

        画像データ格納変数
        マップ格納変数
        矩形領域格納変数
        ネットワーク格納変数
        ネットワークエッジ格納変数
        ネットワークノード格納変数
        ツリーノード格納変数
        ラベル付きリスト格納変数
        算術演算子コンポーネント格納変数
        メール情報格納変数
        変数コンポーネント実装
    4. 変数を使用する際の注意

      変数コンポーネントから値を取得してもう一つの同種の変数コンポーネントに値を設定した後、変数コンポーネント内の値を変更すると、 元のコンポーネント内の値も変更されてしまいます。
      元の変数内のデータを保持したい場合は、変数から値を取得する際に、メソッド「オブジェクトの複製を取得する()  getDuplicatedObject()」等のメソッドを使用します。
      このメソッドで取得した値を別な変数に入れて変更しても、元の値は影響を受けません。

    文字列格納変数

    1. 文字列格納変数
    2. 文字列格納変数は文字列を設定して、文字列の連結や置換えなど文字列操作を行うことができます。
      参考: コンポーネントリファレンス>文字列格納変数
    3. 主なメソッド
      1. 指定した文字列と連結して置き換える(string)
      2. 例えば先に変数に「AAA」を設定し、このメソッドの引数に「BBB」を設定して実行します。
        変数に格納されている文 字列は「AAABBB」になります。
      3. 指定文字列と一致する最初の文字列を置換する(String、String)
      4. 設定している文字列の部分文字列を指定し、置き換えます。
        例えば「AAABAAAB」を変数に設定しておきます。
        引数0に「B」、引数1に「C」を指定し、メソッドを実行します。
        変数に設定されている文字列が 「AAACAAAB」に置換わります。

        ※他に変数内を置換えず戻り値で取得する「replaceFirst(String、String)」
        該当文字列を全て置換える 「指定 文字列と一致 する最初の文字列を置換する(String、String)」、
        被置換え対象の文字列を正規表現で指定する「正規表現に適合する最初の文字列を置 換する (String、String)」などがあります。
      5. 文字列の長さを取得する()
      6. 設定されている文字列の長さ(=文字数)を取得します。
        例えばテキストが設定されているかどうかの判定のとき使用します。
      7. 部分文字列を取得する(int,int)
      8. 位置を指定して部分文字列を取得することができます。

数値格納変数

  1. 任意精度実数(BigDecimal)格納変数
    任意精度整数(BigInteger)格納変数
  2. 計算処理に主に使用する変数はこの2つです。
    (設定するデータの型に合わせて、double型等、他の数値型の変数を使用することもできます。)
    参考: コンポーネントリファレンス>任意精度実数(BigDecimal)格納変数
    コンポーネントリファレンス>任意精度整数(BigInteger)格納変数
  3. 主なメソッド
    1. 数値を文字列で設定する(String)、数値を設定する
    2. データ型の合った数値を設定しますが、それ以外の型でも数値を表す文字列で設定することができます。

    3. 指定した数値との加算結果に置き換える
    4. 演算のコンポーネントを使わなくても簡単な演算ができます。
      他に、減算、乗算などができます。

    5. 値を1増やす()、値を1減らす()
    6. メソッドで簡単に値を増やしたり、減らしたりできます。
      何かの数をカウントしたりするときに便利です。
    7. 桁数を指定して四捨五入、切り上げ、切り捨て(任意精度実数のみ)
    8. メソッド「setScale(int,int)」(引数に桁数と丸めモードを指定)で行うことができます。

リスト格納変数

  1. リスト格納変数
  2. リスト型のデータを格納します。
    空のリストを用意し、オブジェクトを追加してリスト型データを作成できます。
    また、[テーブル]から列のデータを取得して格納したりするときに便利です。

  3. 主なメソッド
    1. リストを設定する(PFObjectList)
    2. 他のコンポーネントから取得したリスト型データを格納します。
    3. 空のリストを設定する()
    4. 要素を追加する前に必ずリストの設定が必要です。
      リストが設定されていない場合は、要素の追加前にこのメソッドを実行します。
    5. 最後尾に要素を追加する()、指定位置に要素を追加する(int)
      リストに要素を1つずつ追加することができます。
    6. 要素をソートしたリストを取得する
      昇順か降順かも指定することができます。
    7. 重複要素を削除したリストを取得する
    8. 同じ要素を削除してリストを取得できます。

テーブル格納変数

  1. テーブル格納変数
  2. テーブル型のデータを格納します。
    [テーブル]のデータを一時的に格納しておくのに便利です。
  3. 列を追加する
  4. テーブル格納変数に列を追加する際には、列型を指定することが必要です。
    列型を指定していないとエラーの原因となります。
    例:メソッド「最後尾に列を追加する(列名・型指定)(String,class)」
    参考:基本のコンポーネント>テーブル>テーブ ルの列・列 型
  5. ソートする
  6. テーブルデータをソートできます。
    日時や数値順にソートすることも可能です。
    例:「列を指定して日時で行をソートする(int,boolean)」
    「列を指定して数値で行をソートする(int,boolean)」

オブジェクトを取得できる変数

各コンポーネントで使うメソッドで、引数に文字列や数値でなくオブジェクトを設定しなければならない場合があります。
以下の変数では変数内でオブジェクトを作成することができます。
  1. 色格納変数

  2. 色を格納する変数コンポーネントです。
    1. 色をRGB値(int)指定で設定する(int,int,int)
    2. 変数内でRGB値を指定して、色を設定することができます。
      RGBA値で指定するメソッドもあります。
    3. 色を黒に設定する()、色を白に設定する()など
    4. 変数内に色名を指定して設定することができます。
      メソッドで指定できる色名は黒、青、シアン、ダークグレイ、グレイ、緑、ライトグレイ、マゼンタ、オレンジ、ピンク、赤、白、黄の13色 です。
  3. 寸法格納変数

  4. 寸法(java.awt.Dimension)を格納する変数コンポーネントです。
    1. 寸法(Dimension)にサイズ(int)を設定する(int,int)
    2. 寸法オブジェクトは何もないところから作成はできません。
      変数に空のオブジェクトを設定し、上記のメソッドで整数でサイズを指定することができます。
  5. フォント格納変数

  6. フォントを格納する変数コンポーネントです。
    1. フォントを設定する(String, int, float)
    2. 変数内にフォント名、フォントスタイル、フォントサイズを指定してフォントを設定することができます。
  7. 位置格納変数

  8. 位置(Point)を格納する変数コンポーネントです。
    1. 位置を設定する(int,int)
    2. 変数内にX座標、Y座標を指定して位置(point)を設定することができます。

オブジェクトバッファ

オブジェクトバッファコンポーネントは、任意のオブジェクトを格納し、そのメソッド 実行やフィールド値の取得を行うためのコンポーネントです。用途は、各種変数コンポーネントとほぼ同じですが、変数コンポーネントがそれぞれ特定 のクラスのオブジェクトのみを扱うのに対して、オブジェクトバッファコンポーネントは任意のクラスオブジェクトを扱うことができます。一方、変数 コンポーネントにはそれぞれのクラスオブジェクトを操作するための各種メソッドが用意されていますが、オブジェクトバッファコンポーネントにはそ のようなメソッドはなく、ユーザは格納したオブジェクトを操作するためのメソッドを文字列で指定しなくてはなりません。すなわち、ユーザは格納し たオブジェクトのメソッドやフィールド名をあらかじめ知っておく必要があります。その意味で、オブジェクトバッファコンポーネントは上級者向けの コンポーネントだと言えます。
  1. 色格納変数

  2. 色を格納する変数コンポーネントです。
    1. 色をRGB値(int)指定で設定する(int,int,int)
    2. 変数内でRGB値を指定して、色を設定することができます。
      RGBA値で指定するメソッドもあります。
    3. 色を黒に設定する()、色を白に設定する()など
    4. 変数内に色名を指定して設定することができます。
      メソッドで指定できる色名は黒、青、シアン、ダークグレイ、グレイ、緑、ライトグレイ、マゼンタ、オレンジ、ピンク、赤、白、黄の13色 です。
  3. 寸法格納変数

  4. 寸法(java.awt.Dimension)を格納する変数コンポーネントです。
    1. 寸法(Dimension)にサイズ(int)を設定する(int,int)
    2. 寸法オブジェクトは何もないところから作成はできません。
      変数に空のオブジェクトを設定し、上記のメソッドで整数でサイズを指定することができます。
  5. フォント格納変数

  6. フォントを格納する変数コンポーネントです。
    1. フォントを設定する(String, int, float)
    2. 変数内にフォント名、フォントスタイル、フォントサイズを指定してフォントを設定することができます。
  7. 位置格納変数

  8. 位置(Point)を格納する変数コンポーネントです。
    1. 位置を設定する(int,int)
    2. 変数内にX座標、Y座標を指定して位置(point)を設定することができます。